東京隅田川ユースホステルのよもやま話




 【柳橋紀行】

 「東京隅田川ユ−スホステル」のある柳橋のその歴史と由来について書きたいと思います。

【その始まり】
 神田川が隅田川にそそぐところに架けられたので、はじめ「川口出口の橋」と呼ばれました。近くに幕府の矢の倉があったことに因んで、矢の倉橋、矢之城橋と呼ばれたとも言います。柳橋はは亨保(一七一六〜三五)頃からの呼称のようです。
【その名の由来】
 @柳原堤の末にあったため。A矢之城を柳の字に書き換えた。B橋畔の柳にちなんで。真説は不明です。
【その歴史】
 創架年代は「文政町方書上」によると、元禄十一年(一六九八年)で、同年十一月十八日に起工し、十二月二十六日に竣工したと記載されています。鉄橋に改築されたのは、明治二十八年(一八九六年)で、現在のロ−ゼ式の橋は昭和四年(一九二九年)に完成しました。
【その橋のある街】
 江戸時代には、橋畔には船屋が並んで賑わいのある街でした。幕末から明治時代にかけての柳橋は、花柳界として名高い街でした。戦後もしばらくも料亭や芸者衆も多く活況をていした街でした。
【その街の魅力】
 正岡子規も「春の夜や女見返る柳橋」と句を残しているのを始め、柳橋は文人に取り上げられました。小清親ら画家も柳橋を画材としました。
【その川の水源】柳橋の架かる神田川の水源は武蔵野市の井の頭池で、やや下流において善福寺池を水源とする善福寺川、妙正寺池を水源とする妙正寺川と合流します。東京の武蔵野を西から東に流れ隅田川に注ぐ最後の橋が柳橋です。
【その川の思い出】
 私の住んでいる家の近くにも神田川が流れています。現在は護岸工事がされ、整備されていますが、四十年近く前には大雨で氾濫し、同級生の家の後片付けを手伝いに行った記憶があります。
【参考】台東区教育委員会「柳橋のその歴史と由来」                     (文責:大竹良一)
【昭和30年代の「柳橋」】
【平成15年頃の「柳橋」】


 【銀幕の中の旅人〜人生は「流れる」〜】

   映画『流れる』(1956年)成瀬巳喜男監督
  「東京隅田川ユ−スホステル」のある東京の下町・柳橋を舞台にした映画は数多くあり ますが、最も有名な映画は成瀬巳喜男監督の一九五六年(昭和三十一年)の『流れる』ではないとか思います。原作は幸田文で、柳橋の芸者置屋「つた屋」に勤めることになった中年女性・梨花(田中絹代さん)の目を通して、芸者の世界と没落していく芸者置屋の姿を様々な人間模様で淡々と描いた作品です。
 出演者は山田五十鈴さん、高峰秀子さん、杉村春子さん、栗島すみ子さんなど日本映画黄金時代を代表する女優さんが出演しているのも見物です。特に無声時代の映画創世期から活躍していた栗島すみ子さんの迫力ある演技とその存在感には感嘆します。
  また、昭和三十年頃の柳橋や浅草橋周辺の風景も情緒豊かに描かれています。映画を観てから柳橋を始めとしたロケ地を訪れて、活気のあった頃の華やかな柳橋に思いを馳せてみるのも旅の一つの楽しみ方のように思います。         (文責:大竹良一)


 【ブラウン管の柳橋〜テレビドラマ「お嫁さん」〜】

    テレビドラマ『お嫁さん 第3シリーズ』(1967年〜68年)
  昭和40年代の懐かしくもあり、暖かみのあるホームドラマの秀作にテレビドラマ『お嫁さん』シリーズ【1966年(昭和41年)6月1日〜1970年(昭和45年)3月25日・毎週水曜日21時〜21時30分にフジテレビ系で放映】があります。
  習慣の違う家にお嫁に来て失敗を繰り返しながらも明るく克服し、さらに家族や近所の人々の交流を通して成長し、次第に家族に溶け込んでいく姿を描いた作品です。放映当時の昭和40年代の風俗や生活様式などのその時代を懐かしむとともに、私たちが忘れかけていることを思い出させてくれる心和む時間を楽しむことができるドラマです。
  第3シリーズは、柳橋の割烹料亭「おくむら」の娘の明子が、田園調布のサラリーマン家庭へ嫁ぎ、ささやかな日常生活での出来事や家族の交流と機微を明るく描いて物語は展開していきます。出演は、お嫁さん明子役は尾崎奈々さん、建設会社の技師のお婿さん哲夫役は平井昌一さん、お嫁さんの父親正吉役に森川信さん、母親役に沢村貞子さん、祖父文平役に笠智衆さん、嫁ぎ先の義父貞三役は松村達雄さん、義母良江役は高峰三枝子さんなどのベテラン俳優を始めとして、明子の姉の房子役に三ツ矢歌子さん、妹の広子役に岡田由紀子さん、義理の弟の英二役に花木章吾(清水章吾)さん、和夫役の小柳徹さん、義理の妹ぼユリ役に相原ふさ子さんなどが出演しています。他昭和40年代の明子の実家の「東京隅田川ユースホステル」のある柳橋の風景や習慣を楽しむことができます。昭和40年代の下町の人情や風習に想いを寄せながら柳橋散策をするのも楽しいものです。【写真:昭和40年代の柳橋付近】
                                           (文責:大竹良一)




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